さあ、いよいよSTEP3では、低FODMAP食を3週間(~6週間)やってみよう!ということで、低FODMAP食の始め方と注意点などについて説明していきます。
皆さん、ポイントを押さえて低FODMAP食をスタートしましょう!
低FODMAP食は数週間で効果が出る!
低FODMAP食の嬉しい点は、これですね!
3週間(~6週間)のうちに効果が実感できるということ。
※もちろん個人差はあります。江田証先生の本では3~4週間、宇野良治先生の本では4~6週間でした。自分に合った方法で取り組んでみましょう♪
以下江田証先生の本から引用
「この期間については、できれば、8週間は続けることが望ましいとされています。しかし、まず8週間とお話しすると、できるかどうか自信がないという方も出てきます。ですから、まずは3週間、すべてのFODMAPを避ける低FODMAP食を忠実にやってみましょう。」
宇野先生の本でも「欧米豪では8週間とされているが、それはFODMAPを徐々に減らしていく場合である。」と書いてありました。
低フォドマップ食の簡単な流れ。
低フォドマップ食を試しても症状が改善されなかったとき
低FODMAP食を始める前に・・・
低FODMAP食を始める前にまず試してみてほしいことがあります。
- IBSに悪影響をきたす、カフェイン、アルコール、食物色素、防腐剤、高脂肪の食品を避ける
- 過食や欠食を避ける
- 規則正しい生活を送る
上記でも改善しない場合に低フォドマップ食を導入してみましょう。
低FODMAP導入期
低FODMAP食のやり方は、簡単です!
FODMAP(フォドマップ)食品一覧表がありますので、『高FODMAP食』と『低FODMAP食』の食品をよく確認して、『低FODMAP食』の食材だけを摂取するようにするだけです。
注意事項
- 導入前と比較するために少なくとも1週間の症状を記録しておく
記録の内容は食事の内容や飲み物、腹痛の程度、時刻、継続時間、便通異常(下痢、便秘、便回数)、睡眠や気分などその他の心身の状態などです。 - 総FODMAP量は3g未満が基本
オリゴ糖1.6g+乳糖0.05g+果糖1.2g+ポリオール0.2g ※2014年ギブソンらのGastroenterology掲載論文での1日のFODMAP総量 - 外食・インスタント食品は禁止
これを3週間(~6週間)続けることで、いつの間にかお腹の調子が良くなって、便の状態も良くなっていることに気が付くでしょう。
FODMAPに該当する食品の例
それでは、FODMAPについてさらに深く掘り下げてみましょう。
ここではFODMAPに該当する食品・食材についても、代表的なものをご紹介していますが、もっと多くの食品・食材のFODMAPを確認したい方は、FODMAP(フォドマップ)食品一覧表をご覧ください。
発酵性の糖質 Fermentable | 該当する食品の例 |
---|---|
オリゴ糖 Oligosaccharides | 『オリゴ糖を多く含む食品』 オリゴ糖、大豆、小豆、パン、ライ麦、小麦、麺類(うどん、そうめん、ラーメン、パスタ)、ゴボウ、タマネギ、等 |
二糖類 Disaccharides | 『主に乳糖を多く含む食品』 牛乳、乳製品、ヨーグルト、アイスクリーム、プロセスチーズ、クリームチーズ、プリン、等 |
単糖類 Monosaccharides | 『果糖を多く含む食品』 ドライフルーツ、ハチミツ、ジュース、フルーツ缶、りんご、スイカ、桃、梨、プルーン、等 |
ポリオール Polyosl | 『ソルビトール、キシリトール、マンニトールなどを多く含む食品』 ソルビトール・キシリトールを含む食品、果物、つくだ煮、海藻類、いも類、等 |
果物は一日に何度食べても良いが、2~3時間あけること。
たんぱく質は肉、魚、卵など、糖質はショ糖、上白糖、メープルシロップなどで補いましょう。また、パンは米に変え、米は冷えたものではなく温かいものを食べるようにしましょう。冷えていると難消化でんぷんに変化し大腸で発酵します。パンが食べたい場合はグルテンフリーの米粉パンやスペルト小麦を使ったパンを適量にしましょう。コンビニのおにぎりにはトレハロースが入っていることがあるのでお米を炊いて自分で作ってみよう!
特にタマネギにご用心を!
低FODMAP食といっても、少しくらいならFODMAPの食材を摂取しても問題ないものもありますが(導入期以外)、
1つだけ絶対に避けてほしい食材があります!
それは、タマネギです!
タマネギを含む食品は、過敏性腸症候群の人にとって症状を引き起こすトリガーとなってしまうのです。
おそらく、低FODMAP食を続ける中で最も大変になるのが、このタマネギを抜くという点でしょう。
当サイト管理人の私も、これが一番大変でした…。
普段は特に気にしてなかったですが、タマネギって本当に色々な食品に入ってるんですよね。
加工品の食品表示で、タマネギ、オニオンパウダー、エシャロット、ポロネギが入っているものは避けること!
ポテトチップス、スープ、ソース、等の食品を購入する際にも要注意です。
【傾腸~食物負荷試験】改善したらFODMAP食も試してみよう!
低FODMAP食の面白いところは、胃腸が改善していくことだけではありません。
3週間(~6週間)の低FODMAP食による胃腸改善が完了した後に、なんと…
FODMAP食を試してみるということ。
というのも、人間の体はじつに面白いもので、どの食材・食品が自分に合っているかは試してみないと分からないのです。
「傾腸~食物負荷試験」を行うことで、自分に合うFODMAP、合わないFODMAPがわかるのです。
手順
- まずは3週間(~6週間)低FODMAP食を続ける
- 1週間に1グループずつFODMAPの食材を食べてみる
- 症状が現れたらストップし、その食品が自分の腸に合わないことをメモしておく
※試験の中で少なくとも2度は負荷の食品を食べてみる - 症状が出たら、症状がなくなるのを待って、次回は食べた量の半分をもう一回食べて、もう一度負荷をかけてみる
- おなじFODMAP群の食べ物の中から別のものを試し、負荷の結果を確認してみる。
例
ももの中にはポリオール(ソルビトール)がたくさん含まれています。ももを食べて症状が出た場合には、おなじポリオール(マンニトール)が含まれているきのこ類を食べてみます。もももきのこも両方ダメならば、あなたの腸はポリオールを受け付けないという事になります。 - 現在、腸が受け付けないものでも将来時間をおいて試してみる。
FODMAPに関する感受性は時間とともに変化する可能性があります。
【FODMAP群の食べ物】
- 発酵性オリゴ糖(フルクタン、ガラクトオリゴ糖)
- 二糖類(乳糖、ラクトース)
- 単糖類(果糖、フルクトース)
- ポリオール(ソルビトール、キシリトール)
傾腸で大切なこと!
・普通に食べる一回分にあたる食品の量を試すこと。
食物負荷試験において、その食品を食べ過ぎたり、逆に少なすぎたりすると、FODMAPについての耐性について有効な情報とはなり得ません。
・耐性(あるいは不耐性)が確認されるまで、他のすべてのFODMAPの制限を続けておくことが必要です。
・食品の量が非常に重要
それはなぜかというと、量を少なくすれば食べられることも多いからです。そのFODMAPを完璧に断たないといけないというわけではありません。
フルクタンを含む食品を試す場合
まずは、小麦パン2切れ食べてみましょう。
翌日にも胃腸に悪影響がなければ、次はにんにく1欠。
それでも翌日に大丈夫であれば、最期に危険視していた食材ですが、タマネギを1/4個を食べてみましょう。タマネギは、フルクタンを非常に多く含んだ食材なので最後に試すこと。
「傾腸」してみて、腹痛、下痢、ガスが溜まる場合には、あなたの身体にフルクタンが合わないということです。
ガラクトオリゴ糖を含む食品を試す場合
1/2カップ分のレンズ豆、インゲン豆、ひよこ豆を食べてみましょう。
「傾腸」してみて、腹痛、下痢、ガスが溜まる場合は、あなたの身体にガラクトオリゴ糖が合わないということです。
乳糖、ラクトースを含む食品を試す場合
牛乳を1/2カップ~1カップ、もしくは170gのヨーグルトを食べてみましょう。
「傾腸」してみて、腹痛、下痢、ガスが溜まる場合は、あなたの身体に乳糖、ラクトースが合わないということです。
果糖、フルクトースを含む食品を試す場合
マンゴーを半分、またはハチミツを小さじ1杯、食べてみましょう。
「傾腸」してみて、腹痛、下痢、ガスが溜まる場合は、あなたの身体に果糖、フルクトースが合わないということです。
ポリオールを含む食品を試す場合
・ソルビトール
桃を2切れ、またはアプリコットを2個、食べてみましょう。
・マンニトール
1/2カップ分のキノコ類を食べてみましょう。
「傾腸」してみて、腹痛、下痢、ガスが溜まる場合は、あなたの身体にポリオール(ソルビトール・マンニトール)が合わないということです。
上記を1週間ごとに試していくのが「傾腸~食物負荷試験」です。自分に合わない食材・食品だけを摂らないようにするだけで、毎日お腹の調子に悩まされることなく生活できるようになります。
3週間(~6週間)の低FODMAP食を続けた後、FODMAPを試す際には、必ず1種類ずつ試すようにしましょう。
導入期で改善しない場合
症状と高フォドマップ食に因果関係がある可能性があります。
自分でできるのは、記録を見て食べたものの中に高フォドマップ食やグレーゾーンの食品がないか調べてみることです。 記録を振り返っても問題がない場合は、FODMAP以外の食事の影響(アレルギーなど)があるかもしれません。
また、改善されないのは以下の原因があるかもしれません。
- 欧米では貝や魚によってIBSが引き起こされると報告されています。
- 多くの食品に入っている「調味料(アミノ酸等)」アミンもIBSの原因とされている。
- サリチル酸、アミン、グルタミン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、タルトラジンが食物過敏症につながる為、これらの摂取がおなかの不調の原因の可能性がある。
- 高食物繊維の摂取が原因の可能性がある。
- 増粘剤、安定剤、ゲル化剤などの食品添加物が原因の可能性がある。
更に詳しく知りたい方はこちらの本を読んでみてください。管理人も参考にしています。日本低フォドマップ食推進会の医師宇野良治先生の本
https://bccks.jp/bcck/146814/info
低FODMAP食を始める皆様へ
さて、これで低FODMAP食の始め方と、FODMAPの試し方、そして注意点までをご紹介しました。今日からすぐにでも始められる低FODMAP食ですが、やはり何事も無理はしないことが大切です。低FODMAP食を始めてすぐの内は、以下のような症状が出ることもあります。
- 食べること自体を控えるようになってきた
- 以前よりも体調が悪くなってきた
- 好きな物が食べられず、精神的に参ってきた
上記のような症状が出てきた場合には、無理に低FODMAP食を続けたりせず中断しましょう。
症状が悪化するような場合には、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
当たり前の話ではありますが、低FODMAP食といっても大量に食べてはいけません。
それでは、皆様の低FODMAP食による胃腸の改善を願っています!
※低フォドマップに属する食品でもおなかの調子が悪くなってしまうという方もいます。自分に合う食事方法を探す参考にしてみてください♪
更に詳しく知らいたい方はこちらの本がおすすめです。
日本低フォドマップ食推進会の医師宇野良治先生の本https://bccks.jp/bcck/146814/info
▼次のステップへ!
STEP1食事による胃腸への影響を知ろう!
STEP2FODMAPの糖質について理解しよう
STEP3低FODMAP食(フォドマップ)をやってみよう!今ココ
STEP4フォドマップ(FODMAP)食品一覧